「こういう風に除草を一つ一つ、手で行うんです。マルチの穴から人参の苗だけにする作業ですね。そうしないと雑草に覆われ人参に栄養がいかなくなってしまうんです。

だから、1人で約50メートルほどの除草作業は1日がかりですね。でも、他の作業があってそればかりをしているわけには、いかないんです。」

やまぐちさんは、自分の子供に納得したものを食べさせたいと、農業に飛び込み約13年になる。除草剤や農薬を使用しない栽培方法でのものづくりには、それなりのご苦労があるがやまぐちさんの作品を通してファンになる人が多くいる。地域の直売所で販売して鮮度が良い、物流コストが安く済むなどのメリットはあると話すやまぐちさん。しかし、その逆で栽培方法などは関係なく安価な価格の競争になってしまうことのデメリットもあると話す。しかし、やまぐちさんはあくまで自分の価値を理解していただける方々へ販売したいと価格競争はしなかった。
「逆に、自分がお客様だったら1度プライドを捨てて価格を落としたらそれまでの商品なのか、もしくはその価格まで値下するまで待とう、と考える。そして、1度下げた価格はもう上げることは難しくなる。それは、自分というブランドの価値を下げるという事になる。私はそれはしたくない。そして、1番大事なことは、価格を下げた時の収益では私の農業は持続できないということ。私達は続けていかなければらない。次の世代へ。」

地域を残すために現場でも、ものづくりの葛藤は続く。
しかし食べる事で支え、作る事で世界に笑顔を届ける、そんな小さな仕組みづくりという、自然な循環が綾町からできる事を願う。

100年後に綾町の魅力を伝えるために。