「1本の木から、2本しか実がならないんだよ。」

そう話してくれたのは、約50年間トウキビを自家採種し綾町広沢地区へ嫁いで来てからずっと作り続けているとお話ししてくださった、わきもとさん。

現在は、この地区に3家族しかいなくなってしまったと、話され続けてこう付け加えました。

「この地区に来て鍬1つで、開墾をし田畑にした。できる事なら、なくならないで欲しいと思っている。しかし、町場からだいぶ離れている事で住む人も入ってくることがなく、後継者がいない状況になってしまった。」

精一杯の笑顔で話す、その瞳の奥は淋しさでいっぱいに感じた。現在はほぼ、わきもとさん1人で農作業をされている。
そんな、わきもとさんの畑の向かいに、同じ地区の方が畑作業をされていた。わきもとさんは、自分の畑で出来たトウキビをお裾分けされていた。そして、違う日は逆にお裾分けを頂いたりするそうだ。
こうやって、支え合って地区の人たちが生きている、とても普通だと言わんばかりの光景をみた。相手をおもいやる、人間らしい素敵な地区とこのトウキビがずっと、残ればいいなと素直に思った。

100年後に綾町の魅力を伝えるために。