「もう、歳なんだ。だから栽培面積はかなり少なくしてる。」

そう話す、いのさんは以前はマンゴーなども栽培されるほど意欲的に農業へ挑戦し続けてきた綾町の農家さんです。現在でも、中玉トマト、キュウリを栽培していますが、1番の驚きは現在旦那さんが84歳!奥様が80歳!というとてもその様には見えない作業姿。そして、背筋の良さです。
そのいのさんが長年に渡り苦労した点をお話ししてくださいま
した。

どの作物でも値段が良くなると沢山の農家さんが次の年その同じ作物をつくりだし。供給側の数を需要側が追い越し、販売が出来ずに困り売れ残り、安くても売れなくなりかけたコストが回収できないため、収穫される事なくまた畑に帰ると言った値崩れが起こるのが農業の仕組みで負の連鎖の1つの例としてあげられると話してくださったいのさん。

それを身にしみて実感したのはマンゴーだったといいます。以前の知事がメディアで大きく宣伝してくださったおかげで、マンゴーという果実は一気に全国区になり取り上げられました。作れば売れるという時代にいのさんはあえて早く手を引き、中玉トマトやキュウリの栽培に切り替えました。それは、一種の博打に似たビジネスモデルだからだと話します。
作り手が少なく高く売れる時代は長くは続かない、だから嗜好品ではなく常に消費者が口にする物を作ることで安定的な消費に裏付けられた、安定した価格(利益)が得られる継続可能な農業の確立が重要と。そして、あくまでも私個人の意見にすぎないと付け加えて。

いのさんは、農業を続けてこれたのは全てお客様のおかげで、そのお客様に喜んで頂ける作品づくりをしたいと、今でもその想いを胸に1つ1つ撫でる様に磨いています。
我が子を見守るかの様に。

ビジネスとしての農業が成り立つために、まず食べる人の笑顔を作る事を優先して考えている、いのさんの想いを次の世代へしっかり引き継ぐために。

100年後の未来へ綾町の魅力を伝えるために